陶器 有田焼・伊万里焼

陶器を語る上で、佐賀県の有田焼は外せません。江戸時代の頃の物は「古伊万里」と呼ばれ、現在の有田焼の一主流です。古伊万里の様式の代表は「染錦(そめにしき)」と呼ばれる装飾法で、染付けの上に赤や緑、黄、青などの絵の具で色絵をつけ、さらに金彩、銀彩を加えたもの。器の表面を絵柄が埋め尽くし、色使いは華麗で多彩、豪華絢爛の焼き物です。古伊万里の名工として酒井田柿右衛門(さかいだかきえもん)がいますが、柿右衛門は古伊万里様式よりさらに優雅な「柿右衛門様式」という装飾法をあみ出し、ヨーロッパの窯でも模倣されるほど、柿右衛門様式は一世を風靡していました。 現在、有田地区で焼かれたものを有田焼、伊万里地区で焼かれたものを伊万里焼と呼ぶ分け方が一般的となっています。

陶器の種類

陶器・焼き物は私たちの普段の暮らしにあふれています。 私たちに身近な陶器・焼き物は大きく分けると土器、陶器、磁器、石器の4つに分類されます。 土器は縄文・弥生時代から始まった焼き物で、粘土を原料として比較的低温で焼かれ、もろく壊れやすい。(植木鉢など)水などを入れておくのにはむかない。陶器も粘土を主原料とした焼き物だが、こちらは釉薬を用いて器の表面にガラス質の層を作ることで水漏れを防いでいます。陶器は磁器に比べてもろく厚手のものが多く、指ではじくと鈍い音がする。(益子焼・唐津焼・美濃焼など) 磁器は陶石が原料の磁土でできた焼き物で、焼き上がりが硬く、薄手で繊細な器に仕上げることができる。 (九谷焼、有田焼、砥部焼など)石器は陶器と磁器の間の性質を持っています。(備前焼・信楽焼・伊賀焼などの焼締)

陶器 京焼・清水焼

陶器の京焼も、多くの陶器と同じく京都で焼かれたものを示して呼ばれています。京焼の特徴は、技術と技法の多様性、華麗な美しさ。京焼きには、色絵陶器から染付け磁器、青磁、白磁、金襴手、さらには中国風、朝鮮風、瀬戸風、信楽風、美濃風、など、まるで全国の陶器を一堂に集めたかのように全てが揃っています。長い間、日本の文化の中心を担ってきたことで、全国から焼き物に関するあらゆる技術や作品が京の都に流れ込んできたためと考えられています。現在、京焼はその作風を特定しにくいと言われるが、最大の魅力は華麗な色絵と染付け。 江戸時代の名工、野々村仁清(にんせい)に始まり、のちの名工たちが磨き上げてきたその趣向は、今も京焼のなかに息づいています。

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